同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
「とにかくさ、お前が転籍することを何より恐れてるんだから。というか、本部長がお前にまだ執着してると思い込んでる節がある。そうじゃないと安心させてやれば大丈夫だよ」
「執着があろうとなかろうと、それはつまり私を信用してないんですよね?」
「だから言ってるだろうが。早く籍だけでもいいからいれちまえ。そうすりゃ、あの馬鹿も少しはさ……」
後ろから低い声がする。
「馬鹿って言うのは俺のことですか?里崎さん」
大和が睨んで横で立っている。
「あー、面倒くさい奴ら。もう本当に勝手にしろ」
里崎さんは私にプリントを渡すといなくなった。