同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「そうですよ、大和をそのことでいじるなんて、いくら課長でも俺は許せないです。篠田をああいう風にしたのは課長に原因があります。全部でなくてもね。違いますか?」
 
 「……そうだな。仕事の出来るあいつが職種転換したのは良いことだと思っていたが、俺への対抗意識がなかったとはいえないだろうな」
 
 大和は黙って聞いていたが、ついに口を開いた。
 
 「美紀さんの苦しみは身体に返ってきていました。課長、彼女と一度会って話すべきです」
 
 「……会う必要はない。彼女の性格上俺から声をかければ勘違いする」
 
 「まあ、確かにそういう一面もあります。でも、課長とのことをいまだに引きずっていると思うんです」
 
 椎名はビールを飲み干した。
 里崎が間に入った。
 
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