同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 しばらくすると、ものすごい足音がした。

 「田村、フロア走るなよ!馬鹿め」
 
 本部長の大きな声。え?

 「紗良ー、大丈夫かー、ハアハア……」
 
 本部長に呼ばれて来たらしい。冷たい手が私のおでこに触れた。
 
 「気持ちいい。冷たい〜」
 
 「あっちい。何だよ、これ。すげえ熱じゃねえか……」
 
 やっと追いついてきた椎名本部長に気付いた大和は振り向くと言った。
 
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