同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
「椎名課長、じゃねえ、本部長、連絡ありがとうございました。紗良連れて帰ります。あと、お願いします」
「ああ。大事にしてやれ。それと、田村。今こっちは忙しいんだから、少し家のこと手伝ってやれよ」
本部長が腰に手を当てて大和に言う。
「は?本部長こそ、紗良に仕事やらせすぎです。自分でやってくださいよ」
大和も腰に手を当てて本部長に向き直った。
お互いで睨み合うように立っている。
周りは何事かとパソコンから目をこちらに向けて凝視している。
大体、違う会社の人間が自分の会社の役員に偉い口をきいているのだ。
しかも、まだ若い。この人は誰なんだと知らない人はびっくりして見ていたのだ。