同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
「「社長!」」
親会社の社長が呆れた目をして、ふたりを見ていた。
「田村君。早く彼女を連れて帰りなさい。熱があるのに、横でぐちゃぐちゃ言われて可哀想に……」
はい。その通りです、社長。
仲裁に入る元気もありませんでした。
「あ、そうでした。申し訳ございません。では失礼します」
大和は我に返り、病人を俵のようにかついで鞄を持って出ていく。
そんなふたりを見送ると、社長は皆に言った。
「皆さん、お疲れ様。新しい会社になりましたが、何かあればすぐに本部長に言って下さい。対応させてもらいますからね。それと、来週の新商品企画発表会楽しみにしていますよ。いいものはすぐに商品化しますし、皆さんのお給料にも色づけしますから、是非頑張って下さい」