同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「私だって、聞かれれば隠してません」
 
 結局、喧嘩して今日は自分のマンションへ帰った。
 
 その翌日。喧嘩したままのはずなのに、横に来てわざと私のボールペンを落とす。
 それを拾う私の手を一緒に握る。
 
 そして、指先で甲を撫でる。
 
 びっくりして下を向いている私の席の後ろに立ち、肩を揉みながら耳元に口を近づける。
 
 「今は休んで、夜は俺に全力でかかってこいよ」
 
 ……信じらんない。
 赤い顔を上げて大和を睨むとニヤッと笑っていなくなる。
 
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