同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり

異動

 
 この会社は十月に大きな異動が大抵ある。
 九月の決算が終わると異動になるのだ。

 おそらく、入社三年目を迎えた私達同期も異動が多くなるだろう。

 内示が一週間前くらいから出ると言われている。
 私の誕生日どころじゃなくなるのだ。

 考えている余裕もないくらい、二週間前くらいから忙しくなった。
 
 「吉崎、さっきの案件のほう、出来たのか?」
 
 「すみません。決算のほうをやっているので午後まで待って下さい」
 
 「……しょうがないな。お前は俺の特別アシスタントだからな」
 
 「……?」
 
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