同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 そんなときに、そんな話耳に入れたら機嫌がもっと悪くなる。

 私は忙しいし、やり過ごす余裕もないのに。

 とうとう、九月最終週。

 「田村、ちょっと……」
 
 「……はい」
 
 朝一に手招きされて、大和が部長に呼ばれた。

 「紗良、内示だよ絶対……」
 
 紀子が言う。
 
 「……あ、うん」
 
 「何、具合でも悪いの?」
 
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