同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 その日、私が昼休みの間に大和は戻ってきて、営業に出たっきり連絡がなかった。

 私は、彼のマンションに行くべきか、自分のところで彼が言いたくなったら言うのを待つべきか、悩んだ。

 要するに、私が我慢できるかの問題なのだ。
 彼の異動は間違いない。

 逢うと問い詰めてしまうと思い、自宅へ帰った。
 すると、夜に入って電話が来た。

 「……紗良。どうして自宅へ帰った?話があるのはわかっていただろ?」

 「だって。会社でも何も言ってくれないし、メールもないし。話したくないのかと思って。会うと問い詰めてしまいそうで」

 「……ごめん。余裕なくてさ」

 「いいよ。大和のいいときに話して」

< 68 / 330 >

この作品をシェア

pagetop