Sunny Sunday
「もうちょっとどうにかならんのか…?それ」
「どうにかならんのかって、あんたに教えて貰った通りに弾いてるんだけど?」
気のせいか、幾つもの冷たい視線を感じる……。
……俺のせいなんですか?
俺がこの公園の平和を乱してたんですか……?
「えぇい!ちょっと貸しなさいっ」
「なによ〜」
とりあえず、左手をギターから引き剥がす。
「こう、人差し指でしっかり押さえてな?あとは、こことここを……」
まぁ、この爪じゃしっかりとは音も出ないかもしれないけど、
こいつはそれほど長いわけじゃないし、いける…か?
「んん〜っ」
「おし。んで、あとは弾くだけだっ」
ギターの弦が奏の手によって弾かれ、綺麗な和音が辺りに流れ出した。
「ほら。ちゃんと鳴るだろ?」
「……」
「……ん?どうした?」
奏がギターのネック、左手の方を見ながら固まっている。
「ゅ……」
「ゆ?」
「指折れるかと思ったじゃないっ!!」
俺は顔の左側面に何かが迫ってくるのを感じ取り、
――ゴッ
そのまま三十秒ほど意識を刈り取られた。