私に愛を教えてよ





来る者を勝手に拒むのはやめよう。
去る者を追わなければいいだけ。


ガードを堅めてばかりだった私が、今はそう思える。


今まで通りの私で居続ける必要はないって朝倉くんは言ってくれた。


あの時はあまりピンと来なかったけど、今なら分かる気がする。


私が変わるなら……………今しかない。





放課後、靴箱で見覚えのある女の子が靴を履き替えようとしていた。




「2組の彩乃ちゃん…だよね?」


「わっ!………え、未知さんっ!?私のこと覚えてくれてたの!?」


「うん。っていうか呼び方、琉依でいいよ。」


「琉依……ちゃん……。話しかけてくれるなんて思ってなかったから、すっごい嬉しい!」




言われてみれば、よく知らない子に自分から話しかけに行くのは初めてだ。




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