私に愛を教えてよ
「俺は何もしてないよ。なんか…琉依ちゃん前より雰囲気柔らかくなったね?」
「朝倉くんが “今まで通りの私で居続ける必要はない” って言ってくれたから─────」
「琉依ちゃん?なんで……拓馬といるの?」
私の言葉は別の声によって遮られ、朝倉くんは私の右後ろに視線を向けた。
見なくても誰の声か分かるけど、私はゆっくりと振り返った。
「実糸くん………。あっ、これは………」
「俺がナンパしたの。まさか実糸と噂になってる子だったとはねぇ。」
ナンパ…!?
最悪な状況のはずなのに、朝倉くんから焦りは感じない。
寧ろ、楽しんでるように見える。