私に愛を教えてよ





「拓馬はナンパとかしないし、琉依ちゃんはナンパされても嬉しそうに話したりなんてしない。」




よく分かってらっしゃる…。


朝倉くんは私をカバーするために、ナンパしたなんて言ったんだよね。


私、好きな人に勘違いされるような嘘を朝倉くんにつかせちゃうなんて…


なんとかしないと…。このままじゃダメだよ。





「………そう。違うの。私が話したくて、勝手に朝練終わるの待ってただけだから。」


「琉依ちゃんが…?」




珍しく動揺してるのが見て分かった。




「実糸だって、好きな人できたとか俺聞いてないよ。みずくさいなぁ〜。」




朝倉くんは軽く言ってるけど、本当はすごく寂しかったんだと思う。


誰よりも隣にいる人に気持ちを悟られないようにするって、毎日どんな想いで過ごしてるんだろう。




「朝倉くん…」




気付いたら、名前を口にしていた。




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