私に愛を教えてよ
「本当に琉依と友達のままでいいの?」
突然私の名前が聞こえて、ピタリと足が止まる。
「やっぱ莉央は気付いてたんだな。」
「いや、さすがに俺でも気付いてたわ。1年の時から。」
3人が繰り広げる会話に耳を傾ける。
「あの子、自分の気持ちに少しずつ気付き始めてるよ。」
莉央の言う“あの子”って、私のことだよね…?
「そうだな。俺だって、琉依が誰のこと考えて最近ずっと上の空になってるか分かってるんだよ。それと………俺が友達以上になれないことも。」
李久……。
私のこと、1年の時から想ってくれてたの……?
「お前が後悔しない道を選べよ。」
「俺は今、幸せだから。気持ち伝えて琉依が離れてくとか、1番嫌なんだよ。最初から、誰にも言わずに墓場まで持ってくつもりだった。」
こういう時は、何も聞いてないフリして「お待たせ〜」って入っていくもんだよね。
何も聞いてない……何も聞いてない………