私に愛を教えてよ
まだ間に合う?
翌朝、初めて30分の寝坊。
おにぎりを作る暇もなく家を出た。
昨日はしゃぎすぎたな…。
思い出すと口元が緩んでしまう。
ヤバい。急がないと…!
結局、ホームルームにギリギリ滑り込んで遅刻は免れた。
本当は朝練後、朝倉くんに言いたいことあったのになぁ…。
休憩時間たまに私の教室まで来てくれるけど気まぐれで、今日会えるとは限らない。
よし、決めた………!
授業が終わって先生が出て行った瞬間、私は教室を飛び出した。
渡り廊下を走って本館に向かうと、階段を駆け上がる。
確か朝倉くん、3年4組って言ってたよね…。
「あの…!4組の朝倉拓馬くん呼んで下さい!」
私は息を切らしながら、階段の近くにいた女子生徒に声をかけた。
すると、その女子生徒は目を丸くして私を覗き込むように見る。