私に愛を教えてよ





私の心拍数は信じられないくらい上がっていく。




「…告られないし、付き合わないよ。」




そう言うだけで、精一杯だった。


ずっと彼と話すきっかけが欲しかったはずなのに、いざ目の前にすると、どこを見て何を話せばいいか分からない。


さっきまで偉そうに朝倉くんの背中を押そうとしてたのに。




「はぁ……。琉依ちゃんが走って拓馬に会いに来たって藤崎が言うから…マジで焦った。」




藤崎………まりあ先輩!?


確かに、私が話しかけたのはスタイルが良くて美人の先輩だった…。


あの様子だと、まだ実糸くんのことが好きってことだよね。




「私のこと避けてたのに。なんで急に…?」


「あの時、俺の知らない顔で拓馬のこと見てたから。それに…拓馬と話したくて待ってたとか言うし。」




それは全部…
私が朝倉くんの気持ち知ってたからだよ。


でも、私の口からそんなこと言えない。




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