私に愛を教えてよ
「あ、今自分のこと案外チョロい女だな〜とか思ってるでしょ。」
「えっ。怖い。それはさすがに怖い。」
「やっぱり…。あのねぇ、言っとくけど、好きになるまでの時間なんて関係ないからっ!」
莉央は両手を腰に当てると、何故か説教モードに入ってしまった。
「大切なのは、好きになってからどれだけ一途に愛せるか。あの様子だと川瀬先輩、今でも琉依のこと想ってるよ。」
「私…ずっと避けられてたのに。」
「好きだから、目合わせないようにしてたんでしょ?朝倉先輩に遠慮して。」
目を合わせないのが好きだから…?
私にはそんな発想なかった。
考えれば考えるほど悪い方向にいく。
「来週、体育祭なんだから気を付けなよ〜。川瀬先輩に告白したい子なんてたくさんいるんだから。」
────────キーンコーンカーンコーン
授業が始まるチャイムが鳴り、教室は静まり返る。
体育祭で思い出すのは初めて目が合った時のこと。
いつまでも鮮明に覚えてる。
あの日、実糸くんから目が離せなかったのは………