私に愛を教えてよ





「あ、今自分のこと案外チョロい女だな〜とか思ってるでしょ。」


「えっ。怖い。それはさすがに怖い。」


「やっぱり…。あのねぇ、言っとくけど、好きになるまでの時間なんて関係ないからっ!」




莉央は両手を腰に当てると、何故か説教モードに入ってしまった。




「大切なのは、好きになってからどれだけ一途に愛せるか。あの様子だと川瀬先輩、今でも琉依のこと想ってるよ。」


「私…ずっと避けられてたのに。」


「好きだから、目合わせないようにしてたんでしょ?朝倉先輩に遠慮して。」




目を合わせないのが好きだから…?
私にはそんな発想なかった。


考えれば考えるほど悪い方向にいく。




「来週、体育祭なんだから気を付けなよ〜。川瀬先輩に告白したい子なんてたくさんいるんだから。」




────────キーンコーンカーンコーン



授業が始まるチャイムが鳴り、教室は静まり返る。


体育祭で思い出すのは初めて目が合った時のこと。


いつまでも鮮明に覚えてる。


あの日、実糸くんから目が離せなかったのは………





< 141 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop