私に愛を教えてよ
力強く熱の篭った彼の目は『本気』だった。
嘘をついてるようには思えなくて、勢いと憶測で発してしまった言葉を反省する。
「未知………。未知琉依、です。」
謝るタイミングを逃してしまった代わりに、彼が知りたがっていた苗字を教えてみた。
彼は一瞬目を丸くしたけど、今度は嬉しそうに笑った。
「俺は川瀬実糸。“貴方”じゃなくて名前呼んで?」
「あ…、はい。………川瀬先輩」
「ダメ。敬語も先輩もいらない」
そう言って私に顔を近付け、「 み い と 」と名前を強調する。
近い……近い……近すぎる……………!!!