私に愛を教えてよ





「じゃあ、私そろそろ…」と言って伝票に手を伸ばすと彼は素早く取り上げる。




「琉依ちゃんの前ではカッコつけさせてよ」


「えっ…。いや、ちょっと………まっ……!」




彼はスタスタとレジに向かい、私のお会計も済 ませてしまった。鞄を持って急いで追いかける。




「あの……ありがとう。…ご馳走様でした。」


「そんな顔しないで?デート代なんて最初から全部出すつもりで誘ってるから。」



借りを作るみたいで抵抗があったけど、彼は貸しだと思っていないことは伝わってきた。



「それより俺、一緒にゲーセン行きたい。なんか放課後デートっぽくない?」


「……………いいよ。」



私の返事に「よっしゃ!」と喜びを表現する。


さっきまで一刻も早く帰りたいと思っていたけど、事情が変わった。


もう少し彼に付き合うことにする。
なんか食い逃げみたいな気分になるし。




< 27 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop