私に愛を教えてよ
「ねぇ琉依ちゃん、見て。奇跡起きそう。」
そこには彼の入れた最後のメダルによって、ジワジワと際に寄せられるボールがあった。
「落ちた………!」
赤色の道を転がっていく。ルーレットに入ると謎の緊張感が押し寄せてきた。
たかが連絡先を教えるか教えないかっていうだけの話なのに。
私達は沈黙の中、ただただボールを見つめていた。
回り続けるボールは少しずつ減速して、間もなく止まろうとしている。
「強く願えば、叶うもんだね。」