私に愛を教えてよ
意外とあっさり引き下がってくれた。
莉央達に話しかけられて気付いたけど、彼と一緒にいるところを同じ学校の人に見られたらどうなるのか……。想像しただけでゾッとする。
それに比べて彼は、注目を浴びることなんて慣れっ子だよね。どう思われても気にしないメンタルが羨ましい。
「私の家、ここだから…。送ってくれてありがとう。気を付けてね。」
「付き合ってもらったのは俺の方だし。ありがとうね、楽しかった。じゃあ、また明日。」
晩御飯を食べても、お風呂に入っても、あまりにも急展開だった放課後の出来事が頭を過る。
はぁ。もう何度目か分からないため息をつく。
〜〜〜♪
携帯に目をやると【川瀬実糸からメッセージを受信しました】と表示されている。
【あの時、琉依ちゃん追いかけてよかった。
おやすみ。】
話してみたらイメージと違ったって言われた方が納得できるのに。何で“よかった”の………?
私は おやすみ と一言だけ送信して眠りについた。