私に愛を教えてよ
そんなことを考えながら手を動かしていると、楽器部屋の掃除はあっという間に終わった。
「音楽室終わったよ。そっちはどう?」
「私も今終わったところだよ。実糸くんのお陰で助かった。本当にありがとう。」
「琉依ちゃんの役に立てたならよかった。」
そう言って彼は優しく笑う。
顔だけでチヤホヤされてる人じゃないのかもしれないと思った。さっきまで考えてたことを口にする。
「実糸くんって、私と仲良くなりたいの?」
「もちろん。仲良くなりたいよ。」
「じゃあこれからは友達ってことで───」
「友達にはなりたくない。」