私に愛を教えてよ
恋愛なんて必要ない
ホームルームが終わると、私達のクラスはそれぞれ音楽室に移動する。
授業どころじゃない。こんな所に居たら楽器部屋での出来事を嫌でも思い出してしまう。
(俺、琉依ちゃんのこと──────
ずっと好きだよ。)
(琉依ちゃんなら、何でもいいんだよ。)
(俺のせいで困ってる琉依ちゃんも可愛い。)
あーーーーーもう!
なんで朝からモヤモヤしないといけないの。
「ねぇ、琉依。さすがに怖いってば。幽霊でも見えてるの?」
莉央の声にハッと我に返る。
「え?幽霊?」
「いや、さっきからチラチラ楽器部屋の方見てるから。」
「あー。大丈夫、霊感ないから。何も見えないよ。」
「ふーん?ならいいけど。」