私に愛を教えてよ





その日から三宅くんと登下校したり、休日はデートに行ったり、カップルらしい日々を過ごしていた。


今まで輪に入れなかった彼氏の話題も、前より馴染んでる。




それなのに────────
心は疲れていくばかりだった。




三宅くんはいつも優しくて、勉強の教え方も上手で、毎日好きって伝えてくれる。キスだってした。


でも、少しずつ知っていくうちに罪悪感だけが大きくなっていった。


好きになれない自分を責める日々。


三宅くんの前では一生懸命口角を上げるようにしてたけど、全部バレていた。




「今まで無理させてごめん。もう…別れよっか。」


「私…三宅くんのこと好きになりたかった。」


「うん。頑張ってくれてたの知ってる。」




それから三宅くんとは、友達として学校で話すようになった。


付き合ってた約4ヶ月間の自分が嘘だったみたいに、本当の笑顔で三宅くんと話せる。


私には恋愛なんて必要ないんだって、改めて実感した。




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