私に愛を教えてよ
「さすが琉依ちゃんの親友、単刀直入に聞くね。」
「もう莉央やめてよ…」
「せっかくのこの機会、逃すわけにはいかないでしょ!」
「いいよ、何でも聞いて。去年の体育祭終わりに琉依ちゃんのこと見かけて、一目惚れした。」
サラッと答えちゃうんだ……。
去年の体育祭終わりに、初めて目が合った時のことを思い出す。
──────────きっと、あの時だ。
莉央の話を聞きながら歩いてただけなんだけど…。
「えええーーーっ!?そんなに前から琉依のこと!?」
「うん。琉依ちゃんから目が離せなくて、気付いたらいつも探してて…。最近ようやく自分の気持ち自覚した。」
そう言って私の方に顔を向けたのが分かった。
横からの視線がやけに熱いけど、私は手の中のなかなか進まないおにぎりを見続ける。
こういうのせめて私がいないところで話してよ……。