私に愛を教えてよ
すると、彼は私の肩に手を回す。
「だーめ。琉依ちゃんは俺が見つけたんだから。」
莉央に見せつけるように抱き寄せる。彼の暖かくて優しい香りは心地良かった。
「もちろん私は、川瀬先輩のこと応援してますから安心して下さい!」
莉央はニヤニヤしながらそう言うと、何やら悠真に目で合図をしている。
私は我に返って彼から離れ、ようやく3口目のおにぎりを頬張った。
「琉依ったら、全然食べてないじゃん!私達もう食べ終わったから、先に教室行ってるね!」
「え、ちょっと待ってよ!もういらないから私も一緒に─────」
「川瀬先輩、今日はお誘いありがとうございました!それじゃあ、失礼します!」
莉央と悠真はいつの間にか片付けを終えていて、ペコりと頭を下げるとそそくさと出ていってしまった。