私に愛を教えてよ
何で2人きりにされてるの。こんなの聞いてないって……。
急いで残りのおにぎりを口にねじ込んでいると、彼が私の手を掴む。
「また詰まらせるよ?」
私はゆっくりと手を下ろし、口いっぱいのおにぎりを少しずつ飲み込んだ。
彼に触れられた手の感触は残り続ける。
「いつもおにぎり持ってきてるの?」
「うん。自分のためにわざわざお弁当作りたくないから。」
「でも、ふりかけじゃなくて手作りの具なんだ。琉依ちゃんのおにぎり美味しそう。」
「作り置きしてる下味付きの鶏肉があるから、揚げて入れただけだよ。」
「それにしても唐揚げおにぎり3つはさすがだね。」
「今日は何か気分じゃないから2つあげる。」