私に愛を教えてよ
これで早く教室に戻れる…!と思ったら、彼は目を大きく開いてとびっきりの笑顔を私に向けた。
「マジで…?すげえ嬉しい、ありがとう。」
あげるっていうより押し付けただけなのに、ここまで喜んでくれるとは。
「いただきます。」と言って早速かぶりつく。
さっきまでまともに目も合わせられなかったのに、チラチラと彼の反応を窺ってしまう。
「……美味すぎる。さすがとか言ったけど、これ3つじゃ足りないね。」
「そう。………よかった。」
「俺、今めっちゃ幸せ。琉依ちゃんの味は一生忘れない。」
私の唐揚げおにぎりが好評で安心したのと、大袈裟に喜ぶ彼がおかしくて思わず笑ってしまう。
そういえば、連絡先の1つで大喜びする人だったな。昨日の放課後を思い出す。