私に愛を教えてよ





見覚えのある男子生徒と戸惑っている女子生徒がこちらを見ながら立っていた。


しまった……。彼に気を取られて、中に人がいるか確認してなかった……。


でも今は廊下に出たくない。どうしよう、とりあえず何か言わないと。


そう思って口を開こうとしたら、見覚えのある男子生徒によって遮られてしまった。




「悪いけど、付き合えない。ごめんね。」




すると、女子生徒は俯いてすぐに出て行ってしまった。まさか振られる現場に遭遇してしまうとは……。




「俺のこと知ってる?」




声のする方を見ると、バチッと目が合った。
どうやら私に話しかけている。




「朝倉先輩………ですよね。」


「うん。俺、琉依ちゃんと話してみたかったんだ。」


「え……私のこと知ってるんですか?」


「まぁね。いつも実糸が目で追ってるから。」




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