私に愛を教えてよ
そりゃそうか。
ずっと一緒にいるんだから、気付くよね。
「もう実糸と話したことある?」
「最近……話すようになりました。」
「そっか。すぐそこに実糸いたのに、何で慌てて化学室入ってきたの?」
「えっと……合わせる顔がなくて……。」
「実糸、もう告ったんだね。でも付き合ってないみたいだし、琉依ちゃん振ったんだ。」
多分、彼は朝倉先輩に私の話をしていない。会わせたくないくらいなんだから。
それで、朝倉先輩は私から彼とのことが聞きたくて“話してみたかった”と言ったんだろう。
でも勝手に話しちゃっていいのかな……。
何も言えずにいると、再び朝倉先輩が話し出す。
「あの実糸も振られることあるんだ。琉依ちゃん変わってるねぇ。」
「……変わってますよね。自覚してます。」
「そういうところが余計惹かれるんだろうなぁ。実糸が本気になってるの初めて見たし。」