私に愛を教えてよ





「琉依ちゃんが………笑った………。」


「うん、笑う。朝倉くんは友達だから。」


「あー。実糸が琉依ちゃんのこと話してくれない理由分かったかも。」


「………ん?何か言った?」




朝倉くんはボソッと何か呟いたはずだけど「なんでもないよ。」と言う。




「じゃあ私、そろそろ教室戻るね。」




巾着袋を持ってドアの方に向かうと、朝倉くんは私を呼び止めた。




「俺のこと羨ましいって言ってくれたけど、もうすぐ琉依ちゃんも“好き”って気持ちが分かると思うよ。」




突然の予言を理解するのには時間が必要だった。


すると、朝倉くんは「またね」と手を振り、私より先に化学室を出ていった。




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