私に愛を教えてよ
時間が止まっているかのように立ち尽くす彼から、私も目を離すことができなかった。
たった数秒間のはずなのに、とても長く感じた。
それから何度も学校でチヤホヤされてる2人の男子生徒を見かけるけど、やっぱり彼は私を見ている。
視線に気付いた時、最初は何となくチラッと見ていたけど、少しずつ気付かないフリをして、今となっては完全にスルー。
そんな彼が今、壇上で注目を集めてスピーチをしている。
何で私、勝手に気まずくなってるの……。
今までのことを思い返して何とも言えない気持ちになっていると、彼のスピーチは終わりを迎えていた。