私に愛を教えてよ





全身の熱が顔に集中しているのが分かった。
何…これ………?


私は耐えきれず、後退りして距離を取る。




「意識……とかじゃなくて……っ!」


「………じゃなくて?」


「私だって、こんなの初めてで………よく分かんない。………でも、迷惑してることは確かだからっ!」




言えた。私の全部を、ぶつけられた。


恐る恐る彼の反応を伺うけど、表情は変わっていない。ねぇ、今何考えてるの──────


無言のまま私をじっと見つめている。
この沈黙が辛い。何か言ってよ………。


勢いに任せて“迷惑”なんて言っちゃったけど、さすがに言い過ぎ…だよね。




「あの、ごめん……。迷惑は、言い過ぎた。」




すると、遂に彼が口を開いた。




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