私に愛を教えてよ
私が…好きになったとでも言いたいの…?
もう誰かと付き合うとか考えられない。
だから、誰かを好きになる必要なんてないの。
「………自惚れないでよ。」
「なら、俺の目見てハッキリ言って。何とも思ってないって。」
大きな両手は私の肩を掴んで、再び距離を縮める。
鼓動は一気に激しさを増した。
これって……私の………心音なの…………?
こんなの……私………本当に………っ。
──────意識してるみたいじゃん…。
落ち着かせようとしても、私の心臓は言うことを聞いてくれない。
「…言わないんだ。じゃあ…俺で頭いっぱいになって、もっとおかしくなってよ。」
優しく撫でるように彼の手は頭から毛先まで移動し、私の髪をそっと持ち上げると指の隙間からスルスルと零れ落ちていった。
その仕草があまりにも色っぽくて見とれてしまう。