【SS】人食いの森
ルゥの瞳は、変わらず温かかった。
幽霊でも、何でも……ルゥがそこにいてくれるのなら、私はよかった。
触れられないのは寂しいけれど……ルゥと二度と会えない絶望に比べれば、なんてことはなかった。
《アオォォォォン!》
「あっ、ルゥが呼んでる……ごめんね、ルゥ、私はここにいるよ」
最初は家に帰っていたけれど、だんだんと、私は森にいる時間が長くなっていた。
お互いが、お互いを必要としているから。
そばにいないと、不安になるから。
《グルルル……》
「ルゥ……まただれか来たの?」
幽霊になったルゥは、私以外の人に敵意を向けるようになった。
突然、理不尽に襲われたのだから当然だ。
だけどそれは、日に日に、私にも向くようになって。