【SS】人食いの森
どうしたことか、僕は女の子を心配する。
命なんてないお化けなのに。
すると、女の子は細い眉を下げて微笑んだ。
《わたしは、ここにいる……今までと同じように……何年も……――年も……》
「そんなのダメだよっ、君も化け物に食べられちゃう!」
《ふふっ……もう、食べられたのよ……心配しないで……走って……》
女の子は光の方を指さす。
僕は迷って足を止めたけれど、追い立てるように化け物の声が聞こえて、走り出した。
「ありがとう! 君も早くにげて!」
《うん……もう、ここに来ちゃダメよ……》