The Tricks Played by Destiny
どうすればいいんだろう。


ここに逃げてきたのは間違いだったのかもしれない。
あのゲス野郎に弄ばれるまま一生を終えたほうがよかった?
いつか、何もわからなくなって、ただあのかび臭い部屋で終わっていく。


嫌だった。
例え、後ろ指指されようとも矜持だけは持っていたかった。
あんなゲス野郎に身体を売るようなこと、したくなかった。


せっかく、自由を得たのにわからないからといって怖じ気づきたくなかった。

奴から逃げるとき、あたしは今後、この世界で暮らして行くんだと決めたんだから。



化け物、とあたしも迫害されてきたのだから。
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