オタクが転生した結果
転生者達、その後
ジ「えー、ヒロイン、ヤバ過ぎるね?私も生ミュリエル見たかったなー」
後日、舞踏会に出席できなかったジゼルの為に、報告会が開かれていた。
マ「あの執拗なテンプレへの拘りは、テンコ様に通じる物があったわね。彼女、重度のファンだったのかも」
エ「いや、あれはテンコ様の作品だから面白いんであって、リアルだとキツイよ。ニャロメ様を思い出したわ」
ジ「そう考えると、転生先がテンコ様の新作じゃなくて良かったのかもしれないねー」
3人で深く頷き合う。
マ「でも、、テンコ様の新作、読みたかったなー」
それぞれが、前世の自分に思いを馳せる。
ジ「私は今の自分もかなり気に入っているよ。美人だし、お金持ちだし、友達もいて、何より推しがいる!」
エ「本当それ。推しがいるから生きていける」
再び、3人は深く頷き合った。
因みに、、地下牢に入れられたミュリエルは、実害がなかった事もあって、その後無事に解放された。だが、大人の世界はもう少し複雑だ。
シャルロワ卿は王から厳重注意を受けていた。娘を連れて帰って二度と領地から出さないと約束すれば今回の事は不問とするが、それを破れば次はないと。
テオドリックの影響を受けた王も、完全なるクリスティーヌ沼の住人なのである。
為す術もなく領地へと戻されたミュリエルは、全てを失い途方に暮れていた。王子との幸せな生活が待っていると信じて疑っていなかった彼女に、それ以外のライフプランを考える余地はなかったのだ。
しかしその数ヶ月後、『プリンセステンコ』と言う名の作家によって描かれた『マンガ』と呼ばれる読み物が、シャルロワ男爵領内で、静かなブームを巻き起こしていた。
プリンセステンコの正体は当然ミュリエルだ。大丈夫か?と不安になるペンネームだが、ここは異世界だし、多分大丈夫だろう。
異世界の住人にとっては、テンコ様の描くベタなテンプレが真新しく感じられ、若い女性を中心に話題となっているようだ。
だが、ここは日本ではなく、異世界だ。
ベタなテンプレを繰り返すテンコ様の作風は、『逆に面白い』と言う概念のない異世界では全く通用せず、既に飽きられ始めていた。
テンコ様の新作がマルゲリット達の手元に届く事は、残念ながらなさそうである。
後日、舞踏会に出席できなかったジゼルの為に、報告会が開かれていた。
マ「あの執拗なテンプレへの拘りは、テンコ様に通じる物があったわね。彼女、重度のファンだったのかも」
エ「いや、あれはテンコ様の作品だから面白いんであって、リアルだとキツイよ。ニャロメ様を思い出したわ」
ジ「そう考えると、転生先がテンコ様の新作じゃなくて良かったのかもしれないねー」
3人で深く頷き合う。
マ「でも、、テンコ様の新作、読みたかったなー」
それぞれが、前世の自分に思いを馳せる。
ジ「私は今の自分もかなり気に入っているよ。美人だし、お金持ちだし、友達もいて、何より推しがいる!」
エ「本当それ。推しがいるから生きていける」
再び、3人は深く頷き合った。
因みに、、地下牢に入れられたミュリエルは、実害がなかった事もあって、その後無事に解放された。だが、大人の世界はもう少し複雑だ。
シャルロワ卿は王から厳重注意を受けていた。娘を連れて帰って二度と領地から出さないと約束すれば今回の事は不問とするが、それを破れば次はないと。
テオドリックの影響を受けた王も、完全なるクリスティーヌ沼の住人なのである。
為す術もなく領地へと戻されたミュリエルは、全てを失い途方に暮れていた。王子との幸せな生活が待っていると信じて疑っていなかった彼女に、それ以外のライフプランを考える余地はなかったのだ。
しかしその数ヶ月後、『プリンセステンコ』と言う名の作家によって描かれた『マンガ』と呼ばれる読み物が、シャルロワ男爵領内で、静かなブームを巻き起こしていた。
プリンセステンコの正体は当然ミュリエルだ。大丈夫か?と不安になるペンネームだが、ここは異世界だし、多分大丈夫だろう。
異世界の住人にとっては、テンコ様の描くベタなテンプレが真新しく感じられ、若い女性を中心に話題となっているようだ。
だが、ここは日本ではなく、異世界だ。
ベタなテンプレを繰り返すテンコ様の作風は、『逆に面白い』と言う概念のない異世界では全く通用せず、既に飽きられ始めていた。
テンコ様の新作がマルゲリット達の手元に届く事は、残念ながらなさそうである。