キミと放送室。
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北校舎の中央階段を3階まで登って右に曲がると、そこに放送室はある。
ついさっき職員室で借りてきたばかりの鍵を回し、扉を開けるとすぐに暗幕があって、私は「うわ」と小さく言った。
ホコリくさい放送室には椅子が1つ。
奥の部屋はスタジオのような作りになっていて、壁際にマイクスタンドや三脚、音が出るのか分からないアコースティックギターと、応接室から運ばれてきたようなソファがなぜか置いてあった。
壁に無数の穴が開いていて、恐らく防音壁なのだろう。
まるで物置きと化しているけれど、放送機械のあるこちら側の部屋は割とキレイに保たれていた。
私は、先週の委員会で渡されたマニュアルを見ながら、機械の電源を入れた。
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