僕のお嬢
2
花見の盛りもあっという間に過ぎ。たとえカレンダー通りだろうと、仕事から解放されるゴールデンウィークは、やっぱり気分が上がる。
「行きたいとこある?」
味噌汁のお椀をあたしの前に置いて、向かいに腰を下ろした都筑がコケティッシュに視線を傾げてみせた。
おじいちゃん達のお墓参りは当然として。去年は、おいしい海鮮丼を食べに半島のほうを回ったんだっけ。
ちなみに里沙は毎年必ず、家族四人で海外旅行。お土産期待するのも楽しみのひとつだし、ウラヤマシイとか全っ然?
「体力さえあったらさ、秘境の露天風呂とか行ってみたいよねぇ」
「秘境は無理でも、温泉ならどこだって行けるじゃない?」
「それじゃ一緒に入れないよ」
急に箸ごと動きの止まった都筑。
「一緒に入るの?」
「別別に入ったらつまんないよ?」
「・・・・・・そうとも言わなくも、ないかもしれない、・・・かもしれないわね」
なんだかよく分からない答えが返って、思わず吹き出す。
「行きたいとこある?」
味噌汁のお椀をあたしの前に置いて、向かいに腰を下ろした都筑がコケティッシュに視線を傾げてみせた。
おじいちゃん達のお墓参りは当然として。去年は、おいしい海鮮丼を食べに半島のほうを回ったんだっけ。
ちなみに里沙は毎年必ず、家族四人で海外旅行。お土産期待するのも楽しみのひとつだし、ウラヤマシイとか全っ然?
「体力さえあったらさ、秘境の露天風呂とか行ってみたいよねぇ」
「秘境は無理でも、温泉ならどこだって行けるじゃない?」
「それじゃ一緒に入れないよ」
急に箸ごと動きの止まった都筑。
「一緒に入るの?」
「別別に入ったらつまんないよ?」
「・・・・・・そうとも言わなくも、ないかもしれない、・・・かもしれないわね」
なんだかよく分からない答えが返って、思わず吹き出す。