都市夢ーとしむー
その5/決意と決心
「…清田さん、肝心なところだから念を押すが、”契約”した覚えはない。それは間違いないんだね?」
「はい。…無論、潜在意識ではどうのこうのってとこに持って行かれたら、証明しようもありませんが…」
「うん…、まさにその通りさ。だからこそ、”ヤツ”と遭遇したの経緯、時間軸が重要になる。…キミは例の夢の前に、黒いスーツの女と遭遇した。パリから日本に戻ったその日…。これも確かですね、清田さん…。見たんだね、PAで車中からリカを…」
この時の沢井は、どこかデカ時代の口ぷりになっていたようだった。
”まあ何しろ、ここんとこを明確にしておかないと、極めどころが曖昧になるからな。でも、清田さんは終始、明確に答えてくれたよ”
...
「はい、確かに見ました。あの女を。…でも、それも運転席にいた七瀬マリには見えなかった訳で…。気のせいでしょうって言われれば、それ以上は…」
ここで隣に座っていた”彼氏”が彼女に肩に手をまわして抱き寄せると、彼女もその手を握り返していた。
そんな二人の様子をじっと観察するように凝視していた元刑事・沢井は、思わずこぼれ笑いの表情を浮かべ、左隣の日下とアイコンタクトを交わした。
”清田イズミの証言は真実だろう。日下も今の彼女の受答えで、その認識を得たようだ。ならば、先に進める…”
...
「清田さん、志田君…、二人の話は俺も日下も真実だと信じて疑わない。その上で、そうであるならば、イズミさんは黒いスーツの女・リカに”持って行かれる”。このままなら、間もなくだろう。先だっての同僚のように…」
敢えて沢井は、目の前の二人にはっきりと”現実”を突きつけた。
思わず、日下はイズミから目線を逸らしてしまった…。
「沢井さん!オレは、結婚まで考えた間柄のアユムを助けられなかったんです。…彼女には申し訳ない気持ちでいっぱいですよ。だからこそ、このイズミだけは守りたいんです。教えて下さい、オレ達はどうすればいいんですか!」
イズミを抱き寄せながら、慎也は沢井に向かって、絶叫気味に訴えた。
「…清田さん、肝心なところだから念を押すが、”契約”した覚えはない。それは間違いないんだね?」
「はい。…無論、潜在意識ではどうのこうのってとこに持って行かれたら、証明しようもありませんが…」
「うん…、まさにその通りさ。だからこそ、”ヤツ”と遭遇したの経緯、時間軸が重要になる。…キミは例の夢の前に、黒いスーツの女と遭遇した。パリから日本に戻ったその日…。これも確かですね、清田さん…。見たんだね、PAで車中からリカを…」
この時の沢井は、どこかデカ時代の口ぷりになっていたようだった。
”まあ何しろ、ここんとこを明確にしておかないと、極めどころが曖昧になるからな。でも、清田さんは終始、明確に答えてくれたよ”
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「はい、確かに見ました。あの女を。…でも、それも運転席にいた七瀬マリには見えなかった訳で…。気のせいでしょうって言われれば、それ以上は…」
ここで隣に座っていた”彼氏”が彼女に肩に手をまわして抱き寄せると、彼女もその手を握り返していた。
そんな二人の様子をじっと観察するように凝視していた元刑事・沢井は、思わずこぼれ笑いの表情を浮かべ、左隣の日下とアイコンタクトを交わした。
”清田イズミの証言は真実だろう。日下も今の彼女の受答えで、その認識を得たようだ。ならば、先に進める…”
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「清田さん、志田君…、二人の話は俺も日下も真実だと信じて疑わない。その上で、そうであるならば、イズミさんは黒いスーツの女・リカに”持って行かれる”。このままなら、間もなくだろう。先だっての同僚のように…」
敢えて沢井は、目の前の二人にはっきりと”現実”を突きつけた。
思わず、日下はイズミから目線を逸らしてしまった…。
「沢井さん!オレは、結婚まで考えた間柄のアユムを助けられなかったんです。…彼女には申し訳ない気持ちでいっぱいですよ。だからこそ、このイズミだけは守りたいんです。教えて下さい、オレ達はどうすればいいんですか!」
イズミを抱き寄せながら、慎也は沢井に向かって、絶叫気味に訴えた。