都市夢ーとしむー
その7/描かれた相関図
ホワイトボードの横に立っている沢井は、勢いよくジュリの文字を叩いた。
「…イズミさんと志田君の今の供述、いや失礼…、証言を聞く限り、この女はすでにリカに魂を売ってるだろう…。その代償として、人間以上の力を得てる。その影山ジュリに、部下の郡司ヒサシが取り込まれてるのは間違いないだろうが、ここで引っかかるのは、影山ジュリがイズミさんを貶めるように、自分へ命じたと晒していることだ」
ここでホワイトボードを食入るように見入っていた3人は一様に大きく頷いた。
「…しかも、原アユムが群馬の実家で急死した前日の午後に、会社の屋上から彼女が転落したこと、さらにその屋上には影山がいたことを、郡司ヒサシはイズミさんに告げた。ふう‥、そのなぜを読み解かないと、リカと影山ジュリの線が見えてこない…」
沢井はホワイトボードから目をイズミに向け変え、やや声のトーンを下げて尋ねた。
「イズミさん…、影山ジュリと原アユムがあの日、会社の総務課で二人が休日に関わらず会っていたことが事実だと仮定しよう。先ほど、原アユムもいずみさんと同期だったと伺った。そこで、同じ同期だった原さんと影山の間で、あなたが思い当たる節は何かありませんか?例えば、過去に二人の間でトラブルのようなものがあったとか…」
「…」
イズミはすぐに下を向いてしまった。
...
そんな彼女に、慎也は間髪を入れず、彼女に言葉を投げた。
「イズミ…、全部言っていい。俺は構わない」
「…」
イズミは彼に視線を向けず、そのままうつむいたままだった。
「イズミ…」
そんな彼女の胸中を察してか、慎也がその場から立ち上がり、沢井を向いて意を決したかのように告白した。
「沢井さん!俺は、この3人全員と寝てるんですよ!」
「…」
沢井は一瞬、あっけにとられて、口をあんぐりさせた。
その後、日下と視線を合わせ、何やら無言で申し合わせをしているかのようだった。
”今それを突っ込んでも焦点がぼける。ココはさらっとやり過ごそう。日下の顔もそれでってことらしいし…”
...
「志田君、わかった。今、キミの言ったその相関ラインをボードに書き込む。…これでいいかな?」
「はい…」(イズミ&慎也)
沢井はまず、こんな場面でも声を揃えて返事をする二人を何ともな表情で確認し、日下に目をやった。
彼も何とな顔つきでサインを送ってきた。
それを受け、沢井は再びホワイトボードへ顔を向け、鋭い視線で相関図全体を凝視した…。
やがて、彼はある視点を得た。
”これは…!”
ホワイトボードの横に立っている沢井は、勢いよくジュリの文字を叩いた。
「…イズミさんと志田君の今の供述、いや失礼…、証言を聞く限り、この女はすでにリカに魂を売ってるだろう…。その代償として、人間以上の力を得てる。その影山ジュリに、部下の郡司ヒサシが取り込まれてるのは間違いないだろうが、ここで引っかかるのは、影山ジュリがイズミさんを貶めるように、自分へ命じたと晒していることだ」
ここでホワイトボードを食入るように見入っていた3人は一様に大きく頷いた。
「…しかも、原アユムが群馬の実家で急死した前日の午後に、会社の屋上から彼女が転落したこと、さらにその屋上には影山がいたことを、郡司ヒサシはイズミさんに告げた。ふう‥、そのなぜを読み解かないと、リカと影山ジュリの線が見えてこない…」
沢井はホワイトボードから目をイズミに向け変え、やや声のトーンを下げて尋ねた。
「イズミさん…、影山ジュリと原アユムがあの日、会社の総務課で二人が休日に関わらず会っていたことが事実だと仮定しよう。先ほど、原アユムもいずみさんと同期だったと伺った。そこで、同じ同期だった原さんと影山の間で、あなたが思い当たる節は何かありませんか?例えば、過去に二人の間でトラブルのようなものがあったとか…」
「…」
イズミはすぐに下を向いてしまった。
...
そんな彼女に、慎也は間髪を入れず、彼女に言葉を投げた。
「イズミ…、全部言っていい。俺は構わない」
「…」
イズミは彼に視線を向けず、そのままうつむいたままだった。
「イズミ…」
そんな彼女の胸中を察してか、慎也がその場から立ち上がり、沢井を向いて意を決したかのように告白した。
「沢井さん!俺は、この3人全員と寝てるんですよ!」
「…」
沢井は一瞬、あっけにとられて、口をあんぐりさせた。
その後、日下と視線を合わせ、何やら無言で申し合わせをしているかのようだった。
”今それを突っ込んでも焦点がぼける。ココはさらっとやり過ごそう。日下の顔もそれでってことらしいし…”
...
「志田君、わかった。今、キミの言ったその相関ラインをボードに書き込む。…これでいいかな?」
「はい…」(イズミ&慎也)
沢井はまず、こんな場面でも声を揃えて返事をする二人を何ともな表情で確認し、日下に目をやった。
彼も何とな顔つきでサインを送ってきた。
それを受け、沢井は再びホワイトボードへ顔を向け、鋭い視線で相関図全体を凝視した…。
やがて、彼はある視点を得た。
”これは…!”