都市夢ーとしむー
転落
その1/屋上へ
アユムのバッグを奪ったジュリは屋上へ駆けあがった。
すぐにアユムも屋上へたどり着き、二人は3M程の距離で正面を向きあった。
すでに外はすっかり暗くなっていた…。
...
「ジュリ、バッグを返して!」
「その前にここで誓って。さっきの件、知っていたけど口外は絶対にしないと、私のスマホに向かって言うのよ」
「録音するの分かってるし、言えないわよ。さあ、返しなさいよ!」
すっかり興奮気味のアユムは、ジュリの抱えているバッグを挟んで掴み合いとなった。
と、その直後のことだった…。
...
アユムの視界が急に靄がかかったように、ぼやけてきたのだ。
”目がおかしい…。急に来たわ!”
視界がおぼつかないアユムは一回り体の大きいジュリに振り払われるとしりもちをついてしまった。
すかさず立ち上げるが、アユムの足元はおぼつかない…。
様子が変だと気付いたジュリは、ここで再度突き付けた。
「ふふ、どうやら体の具合が思わしくないようね。さあ、もうくだらない意地なんか張らずに、宣誓するのよ!バッグは返してあげるから」
「いやよ!」
アユムは頑なに拒絶した。
”なんて強情なのよ!”
ジュリは半ば呆れ気味で、心の中でそう吐き捨てていた。
その1/屋上へ
アユムのバッグを奪ったジュリは屋上へ駆けあがった。
すぐにアユムも屋上へたどり着き、二人は3M程の距離で正面を向きあった。
すでに外はすっかり暗くなっていた…。
...
「ジュリ、バッグを返して!」
「その前にここで誓って。さっきの件、知っていたけど口外は絶対にしないと、私のスマホに向かって言うのよ」
「録音するの分かってるし、言えないわよ。さあ、返しなさいよ!」
すっかり興奮気味のアユムは、ジュリの抱えているバッグを挟んで掴み合いとなった。
と、その直後のことだった…。
...
アユムの視界が急に靄がかかったように、ぼやけてきたのだ。
”目がおかしい…。急に来たわ!”
視界がおぼつかないアユムは一回り体の大きいジュリに振り払われるとしりもちをついてしまった。
すかさず立ち上げるが、アユムの足元はおぼつかない…。
様子が変だと気付いたジュリは、ここで再度突き付けた。
「ふふ、どうやら体の具合が思わしくないようね。さあ、もうくだらない意地なんか張らずに、宣誓するのよ!バッグは返してあげるから」
「いやよ!」
アユムは頑なに拒絶した。
”なんて強情なのよ!”
ジュリは半ば呆れ気味で、心の中でそう吐き捨てていた。