都市夢ーとしむー
その10/持参物
「清田さんの指摘は理を得てる。実際、今のとことでも俺の方が動いた限りじゃあ、社長派は内偵入れてるのは間違いない」
「それで日下、そのお偉いさん同士の上げ足取りはどんな戦局になりそうなんだ?」
「うむ…。バーターだな。俺の感触では。公私おしなべて、互いに都合の悪いネタレベルは結局のところ、抑止力で落ち着く。そんなところだと想定している。よくあるパターンだ」
「じゃあ、今の日下さんの見立てでは、社長派が副社長を失脚させるまでのネタまでは手に入れてないと…。結論的には副島常務が副社長として、まずは歩みだせるってことになるんですね?」
イズミの口調はまるで教師の言及さながらの、ハイプレッシャーを感じさせるものだった。
これに、日下は挑むようにイズミにぶつけた。
「おそらくはね。このままなら、俺の依頼主の勝ちになるだろう。よほどの書くしネタ、内部からの強烈なリークとかがなければ…」
この時、沢井の鋭い視線はイズミと慎也を捉えていた。
そして確信した。
”ほう…、この二人、とっておきのもん、ご持参のようだな…”
沢井の目線はすでにイズミと慎也から、二人の間に佇む封筒に注がせたいた。
...
”それ”は応接テーブルの上に置かれた。A4サイズのコピー数十枚と、CDデータ…。
”それ”に、元刑事の沢井と現役弁護士である日下は、吸い寄せられるように視線が奪われていた。
”間違いない…。こいつには、副島を追い込めるネタが詰まっている。あの影山ジュリとデキている次期副社長のイスが確実な野心家を射る一矢だ”
”これは…。明らかに内部素材だ…。この切羽詰まった局面に立ちながら、この二人が持ち合わせている”これ”の出元はどこなのか…。えっ…?…ひょっとして…”
沢井と日下は、いまテーブル上に佇む”それ”を食いいるように見つめながら、双方、各々の視点でその中身にはほぼ同様に予感を得ていた…。
「清田さんの指摘は理を得てる。実際、今のとことでも俺の方が動いた限りじゃあ、社長派は内偵入れてるのは間違いない」
「それで日下、そのお偉いさん同士の上げ足取りはどんな戦局になりそうなんだ?」
「うむ…。バーターだな。俺の感触では。公私おしなべて、互いに都合の悪いネタレベルは結局のところ、抑止力で落ち着く。そんなところだと想定している。よくあるパターンだ」
「じゃあ、今の日下さんの見立てでは、社長派が副社長を失脚させるまでのネタまでは手に入れてないと…。結論的には副島常務が副社長として、まずは歩みだせるってことになるんですね?」
イズミの口調はまるで教師の言及さながらの、ハイプレッシャーを感じさせるものだった。
これに、日下は挑むようにイズミにぶつけた。
「おそらくはね。このままなら、俺の依頼主の勝ちになるだろう。よほどの書くしネタ、内部からの強烈なリークとかがなければ…」
この時、沢井の鋭い視線はイズミと慎也を捉えていた。
そして確信した。
”ほう…、この二人、とっておきのもん、ご持参のようだな…”
沢井の目線はすでにイズミと慎也から、二人の間に佇む封筒に注がせたいた。
...
”それ”は応接テーブルの上に置かれた。A4サイズのコピー数十枚と、CDデータ…。
”それ”に、元刑事の沢井と現役弁護士である日下は、吸い寄せられるように視線が奪われていた。
”間違いない…。こいつには、副島を追い込めるネタが詰まっている。あの影山ジュリとデキている次期副社長のイスが確実な野心家を射る一矢だ”
”これは…。明らかに内部素材だ…。この切羽詰まった局面に立ちながら、この二人が持ち合わせている”これ”の出元はどこなのか…。えっ…?…ひょっとして…”
沢井と日下は、いまテーブル上に佇む”それ”を食いいるように見つめながら、双方、各々の視点でその中身にはほぼ同様に予感を得ていた…。