都市夢ーとしむー
その12/浮かび上がった全体像
「じゃあ沢井さんは、あの日アユムがジュリに俺との結婚を邪魔する為に誘惑したと認めさせ、それを突っぱねられた対抗手段で、そのネタを掴んでることをジュリに突きつけたと…」
「慎也…」
となりのイズミは彼の手に自らの右手を乗せ、いたたまれない表情を浮かべていた。
もっとも、沢井や日下からすれば、この二人が丸ごといたまれなく映ったのだが…。
...
”驚いた…。影山が性悪の女だということで、志田慎也がこいつと寝たってのも、向こうから誘いをかけてきたと読んだ。もしかしたら、そのことが原アユムと志田慎也の結婚ゴールを阻害したのかもってな。原さんはも間もなくこの世から消えるに際し、影山からその告白を迫ったのではと…”
沢井はイズミと慎也に向けていた視線を再度ボードに戻し、今さっき自らが描いたJリードレンの相関図を凝視した。
”どうやら浮かんできたぞ…。で、繋がってきたわ、あの女魔人とJリードレンが…”
沢井は一度頭の中を整理し、ボードの横から応接のソファに戻った。
そして左隣に座っている日下を向き、小声で言った。
「仮説ができた。いいか、ここで…」
「ああ、頼む」
「うむ。なら、これ言ったあと、こっちから二人にな…」
「了解だ」
...
「…清田さん、志田君。今日、君たちからの話は俺たちの予想をはるかに超えたものだったよ。さらに、こんなすごい資料までも…。それによって、今まで見えなかった”全体”が浮かび上がってきた。あくまで仮説だが、ひとつの前提として先ず聞いてくれるかい?」
「はい!」(イズミ&慎也)
二人の揃った返事はひと際澄んで部屋に響いた。
...
「まず、影山ジュリがなぜ、部下の郡司ヒサシを使って、自分がイズミさんを落としいれる計略を持っていること、それに原さんが会社の入っているビルの屋上から転落し、その場に自分が居合わせてたことを、パリから凱旋帰国した直後のライバル・清田イズミに晒したのか…」
イズミは鳥肌が立った両手を相互にさすりながらも、沢井の顔から目を離さない。
”早く聞かせて、沢井さん!その先の答えを…”
イズミの目はそう訴えていた。
慎也も…。
「じゃあ沢井さんは、あの日アユムがジュリに俺との結婚を邪魔する為に誘惑したと認めさせ、それを突っぱねられた対抗手段で、そのネタを掴んでることをジュリに突きつけたと…」
「慎也…」
となりのイズミは彼の手に自らの右手を乗せ、いたたまれない表情を浮かべていた。
もっとも、沢井や日下からすれば、この二人が丸ごといたまれなく映ったのだが…。
...
”驚いた…。影山が性悪の女だということで、志田慎也がこいつと寝たってのも、向こうから誘いをかけてきたと読んだ。もしかしたら、そのことが原アユムと志田慎也の結婚ゴールを阻害したのかもってな。原さんはも間もなくこの世から消えるに際し、影山からその告白を迫ったのではと…”
沢井はイズミと慎也に向けていた視線を再度ボードに戻し、今さっき自らが描いたJリードレンの相関図を凝視した。
”どうやら浮かんできたぞ…。で、繋がってきたわ、あの女魔人とJリードレンが…”
沢井は一度頭の中を整理し、ボードの横から応接のソファに戻った。
そして左隣に座っている日下を向き、小声で言った。
「仮説ができた。いいか、ここで…」
「ああ、頼む」
「うむ。なら、これ言ったあと、こっちから二人にな…」
「了解だ」
...
「…清田さん、志田君。今日、君たちからの話は俺たちの予想をはるかに超えたものだったよ。さらに、こんなすごい資料までも…。それによって、今まで見えなかった”全体”が浮かび上がってきた。あくまで仮説だが、ひとつの前提として先ず聞いてくれるかい?」
「はい!」(イズミ&慎也)
二人の揃った返事はひと際澄んで部屋に響いた。
...
「まず、影山ジュリがなぜ、部下の郡司ヒサシを使って、自分がイズミさんを落としいれる計略を持っていること、それに原さんが会社の入っているビルの屋上から転落し、その場に自分が居合わせてたことを、パリから凱旋帰国した直後のライバル・清田イズミに晒したのか…」
イズミは鳥肌が立った両手を相互にさすりながらも、沢井の顔から目を離さない。
”早く聞かせて、沢井さん!その先の答えを…”
イズミの目はそう訴えていた。
慎也も…。