都市夢ーとしむー
その3/浸透するうわさ
「ごめん、メグミ。待たせちゃったね」
放課後の教室で、クラスメートのアキの帰りを待っていたメグミは、スマホをいじっていた。
「割と早かったじゃん。それで、やっぱりいろいろ聞かれたの?」
メグミはスマホから指を離し、アキに尋ねた。
「うん。でも私、カスミとは1年の時クラス一緒だったけど、最近は全く接触なかったしね。なんか、とりあえずって感じで聞いてるみたい」
ここの高校2年の女子生徒だったカスミが、クラスメートの男子生徒の家で死んでいるのが発見され、警察が友人たちから話を聴取していたのだ。
...
「それでさ、これは又聞きのウワサだけどさ。最近カスミ、都市伝説になってる変な契約を結んで、それで、そのうちスッとこの世界から消えるとかって…。そんな話を友達にしていたらしいんだ…」
メグミの突飛な話に、アキはあっけにとられている…。
「なんか悩みあったりして、死にたいと思ってる人が、楽に”消える”ことができる契約なんだって。その代り、何か”大切なもの”と引換えらしいけど。都会のOLとかの間じゃ、けっこう浸透してるみたいだよ」
アキは、ふーんという顔つきでメグミに聞いた。
「それで、実際の申込みってどうやるのよ?」
「都市伝説のサイトでは、いろんな方法が出てるけど、どれがホントかははっきりしないから、その時は片っ端から試してみて、”夢”見るの待つしかないんじゃない?」
ここでメグミは、席から立ち上がった。
...
「なんかね、一番有力なのは全身が映る鏡の前に立って、それから両手をこうして、鏡に向かってメッセージを送る方法だって。ウワサだけどね」
メグミは、直立の姿勢で両手を顔の両脇に挙げ、手の甲を広げずに外側に向けたポーズをとると、こう唱えた。
「ラクゴク・ラクゴク・アタエシ・ワレノタマなんとか・・・。まあ、こんな感じで儀式みたいにやると、確率高いとかって」
アキはここで、笑い声を上げた。
「あははは…、胡散臭い都市伝説だなー。まあ、私らみたいな未来がある若い乙女には、関係ないしね」
「そうだね。この世から消えるなんて、絶対ゴメンだよ。さあ、帰ろうぜ」
二人は、ここで話を切り上げて、教室を後にした。
「ごめん、メグミ。待たせちゃったね」
放課後の教室で、クラスメートのアキの帰りを待っていたメグミは、スマホをいじっていた。
「割と早かったじゃん。それで、やっぱりいろいろ聞かれたの?」
メグミはスマホから指を離し、アキに尋ねた。
「うん。でも私、カスミとは1年の時クラス一緒だったけど、最近は全く接触なかったしね。なんか、とりあえずって感じで聞いてるみたい」
ここの高校2年の女子生徒だったカスミが、クラスメートの男子生徒の家で死んでいるのが発見され、警察が友人たちから話を聴取していたのだ。
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「それでさ、これは又聞きのウワサだけどさ。最近カスミ、都市伝説になってる変な契約を結んで、それで、そのうちスッとこの世界から消えるとかって…。そんな話を友達にしていたらしいんだ…」
メグミの突飛な話に、アキはあっけにとられている…。
「なんか悩みあったりして、死にたいと思ってる人が、楽に”消える”ことができる契約なんだって。その代り、何か”大切なもの”と引換えらしいけど。都会のOLとかの間じゃ、けっこう浸透してるみたいだよ」
アキは、ふーんという顔つきでメグミに聞いた。
「それで、実際の申込みってどうやるのよ?」
「都市伝説のサイトでは、いろんな方法が出てるけど、どれがホントかははっきりしないから、その時は片っ端から試してみて、”夢”見るの待つしかないんじゃない?」
ここでメグミは、席から立ち上がった。
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「なんかね、一番有力なのは全身が映る鏡の前に立って、それから両手をこうして、鏡に向かってメッセージを送る方法だって。ウワサだけどね」
メグミは、直立の姿勢で両手を顔の両脇に挙げ、手の甲を広げずに外側に向けたポーズをとると、こう唱えた。
「ラクゴク・ラクゴク・アタエシ・ワレノタマなんとか・・・。まあ、こんな感じで儀式みたいにやると、確率高いとかって」
アキはここで、笑い声を上げた。
「あははは…、胡散臭い都市伝説だなー。まあ、私らみたいな未来がある若い乙女には、関係ないしね」
「そうだね。この世から消えるなんて、絶対ゴメンだよ。さあ、帰ろうぜ」
二人は、ここで話を切り上げて、教室を後にした。