都市夢ーとしむー
その2/翌日
”誰もいない!確か女が立っていたけど…。ひょっとしてアユム?”
ジュリは鏡と後ろの壁を何度か確認したが、”それ”はもう消えていた。
”気のせいか…。あんなことがあったから、頭が混乱してるし、錯覚だろう”
ジュリは自分にそう言い聞かせると、シャワーも浴びずにベッド飛びこみ横になった。
...
翌日の朝…、ジュリはいつも通り家を出た。
結局、前夜はほとんど眠れず、頭の中では屋上での出来事が生々しくフラッシュバックされ、ただ堂々巡りを繰り返すしかなった。
”とにかく会社に行けば、何かが分かる。それ次第で考えるしかない…”
今のジュリには流れに任せる以外、選択肢が見つからなかったのである。
...
勤務先に出社すると、そこはいつもと何ら変わりない風景が機械的に展開されていた。
”でも、アユムは出社していない。これだけは間違いない…”
ジュリはよほど総務課を覗いて確かめようと思ったが、思いとどまった。
というより、”勇気”が出なかった…。
そして昼近くになって、推進企画室のフロアで同僚がなにやらこそこそ話をしているのがジュリの目に入った…。
...
しばらくすると、後輩の女子社員がジュリの席に寄ってきた。
”先輩、総務の原さん、亡くなったそうですよ…。確か同期でしたよね?”
「…」
”きたか、やっぱり…”
ジュリの心の中の第一声はこの一言に尽きた。
「なんか週末は群馬の実家に帰っていたそうなんですが、昨夜就寝した後、そのまま息を引きとったらしくて…。家族は今朝になって気が付いたってことです。びっくりですよね…」
「!!!」
今度はコトの事態が呑み込めず、ジュリは一瞬、思考停止に陥った。
”誰もいない!確か女が立っていたけど…。ひょっとしてアユム?”
ジュリは鏡と後ろの壁を何度か確認したが、”それ”はもう消えていた。
”気のせいか…。あんなことがあったから、頭が混乱してるし、錯覚だろう”
ジュリは自分にそう言い聞かせると、シャワーも浴びずにベッド飛びこみ横になった。
...
翌日の朝…、ジュリはいつも通り家を出た。
結局、前夜はほとんど眠れず、頭の中では屋上での出来事が生々しくフラッシュバックされ、ただ堂々巡りを繰り返すしかなった。
”とにかく会社に行けば、何かが分かる。それ次第で考えるしかない…”
今のジュリには流れに任せる以外、選択肢が見つからなかったのである。
...
勤務先に出社すると、そこはいつもと何ら変わりない風景が機械的に展開されていた。
”でも、アユムは出社していない。これだけは間違いない…”
ジュリはよほど総務課を覗いて確かめようと思ったが、思いとどまった。
というより、”勇気”が出なかった…。
そして昼近くになって、推進企画室のフロアで同僚がなにやらこそこそ話をしているのがジュリの目に入った…。
...
しばらくすると、後輩の女子社員がジュリの席に寄ってきた。
”先輩、総務の原さん、亡くなったそうですよ…。確か同期でしたよね?”
「…」
”きたか、やっぱり…”
ジュリの心の中の第一声はこの一言に尽きた。
「なんか週末は群馬の実家に帰っていたそうなんですが、昨夜就寝した後、そのまま息を引きとったらしくて…。家族は今朝になって気が付いたってことです。びっくりですよね…」
「!!!」
今度はコトの事態が呑み込めず、ジュリは一瞬、思考停止に陥った。