都市夢ーとしむー
真都市伝説
その1/カスミの兄
この日は天気予報では曇りだったが、夕方近くになって、急に大雨になった。
それは雷雨を伴う、今はやりのゲリラ豪雨のレベルに至った。
学校帰りのアキとメグミは雨宿りを兼ね、ファーストフード店でおしゃべりタイムに興じていた。
...
「そう言えばさ、この前、家の近くで刑事に声をかけられたよ、私」
「ええ…?ひょっとしてカスミの件とか…」
「そうそう。でもさ、その刑事さん、カスミのお兄さんだった」
メグミのその一言に、驚いたアキは目をまん丸くさせていた。
...
「なんかさ、やっぱりカスミ、例の都市伝説系のウワサにどっぷり漬かってたみたい。お兄さん、カスミが死んじゃう前、よく白日夢を見ていたそうだって話してくれて…」
刑事でもあるカスミの兄は、メグミがこの都市伝説の話をしていたことを他の高校の女子生徒から聞き及んだということだった。
「でも、お兄さんの方も私の知らないことよく知っていたよ。その夢には白いバスだとか、黒いス-ツの女だとかが出てきてとか…」
「それで、言ったの?メグミが聞いた例の呪文とか、契約の話とか…」
「うん。お兄さん、細かくメモしながら聞いてた。でも、今日の件は刑事としてではなく、死んだ妹の兄としてだからって言ってた」
「ふーん、でも、実際はどうだったんだろうね…」
アキは、窓越しに目をやって、一向にやむ気配のない豪雨を眺めながら、呟くようにメグミに問いかけていた。
すると…。
「おお、メグミじゃん!」
振り向くと、二人とは制服の違う女子高生らしきカップルがメグミに声をかけてきた。
その1/カスミの兄
この日は天気予報では曇りだったが、夕方近くになって、急に大雨になった。
それは雷雨を伴う、今はやりのゲリラ豪雨のレベルに至った。
学校帰りのアキとメグミは雨宿りを兼ね、ファーストフード店でおしゃべりタイムに興じていた。
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「そう言えばさ、この前、家の近くで刑事に声をかけられたよ、私」
「ええ…?ひょっとしてカスミの件とか…」
「そうそう。でもさ、その刑事さん、カスミのお兄さんだった」
メグミのその一言に、驚いたアキは目をまん丸くさせていた。
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「なんかさ、やっぱりカスミ、例の都市伝説系のウワサにどっぷり漬かってたみたい。お兄さん、カスミが死んじゃう前、よく白日夢を見ていたそうだって話してくれて…」
刑事でもあるカスミの兄は、メグミがこの都市伝説の話をしていたことを他の高校の女子生徒から聞き及んだということだった。
「でも、お兄さんの方も私の知らないことよく知っていたよ。その夢には白いバスだとか、黒いス-ツの女だとかが出てきてとか…」
「それで、言ったの?メグミが聞いた例の呪文とか、契約の話とか…」
「うん。お兄さん、細かくメモしながら聞いてた。でも、今日の件は刑事としてではなく、死んだ妹の兄としてだからって言ってた」
「ふーん、でも、実際はどうだったんだろうね…」
アキは、窓越しに目をやって、一向にやむ気配のない豪雨を眺めながら、呟くようにメグミに問いかけていた。
すると…。
「おお、メグミじゃん!」
振り向くと、二人とは制服の違う女子高生らしきカップルがメグミに声をかけてきた。