都市夢ーとしむー
その3/あの日の証言
「…これはよう、俺の部活の後輩の友達のお兄さんの話がネタ元直らしいんだけど…。そのJ何とかって企業が入ってるビルの5階あたりの空きフロアをさ、そのネタ元のオヤジが借りたらしんだわ。それで…」
「じゃあ、その息子が親から頼まれたもん置きに行ったついでに、仲間を連れての飲み会開いちゃったんだ…」
「ああ…。丁度暗くなり始めて、さあ乾杯ってとこで窓の正面にいた一人の女の子が見たんだ。”それ”を…」
「…」
”それ”が何かを聞いて、アキとメグミは固まってしまった…。
...
「確かに女の人が降ってきたって言うの!」
「そうらしいのよ。それで、みんなが窓を開けて落ちたあたりを見下ろしてみたら…、黒い影がそのOLさんを吸いこんじゃったんですって…。ねえ、浩ちゃん」
「ああ、なにしろ複数が目撃してるってことだわ。まあ、又聞きだし文字通りウワサだけどね」
「…すごい!」
「うん、その黒い影、きっと黒いスーツの女だよ!契約者を確保したんだ。飛び降りたら痛いし、死ぬまで苦しむから、その前に現れてさ」
「そうそう!やっぱり、この都市伝説、本物だったんだわ!」
アキとメグミがウワサ話をすんなり”仮説”に仕立てる様子に、半ばあっけにとれていたレイが口を開いた。
「あんたち、モロ、信じてんの?」
「当たり前じゃん。高身長の女リカはきっと、この辺にも現れてるんだよ」
「うん。何しろリカはさ、都会がお気に入りだそうだからね」
ポテトをパクつくレイと浩一郎は、目を点にして興奮気味のアキとメグミの言葉を聞いていた…。
「…これはよう、俺の部活の後輩の友達のお兄さんの話がネタ元直らしいんだけど…。そのJ何とかって企業が入ってるビルの5階あたりの空きフロアをさ、そのネタ元のオヤジが借りたらしんだわ。それで…」
「じゃあ、その息子が親から頼まれたもん置きに行ったついでに、仲間を連れての飲み会開いちゃったんだ…」
「ああ…。丁度暗くなり始めて、さあ乾杯ってとこで窓の正面にいた一人の女の子が見たんだ。”それ”を…」
「…」
”それ”が何かを聞いて、アキとメグミは固まってしまった…。
...
「確かに女の人が降ってきたって言うの!」
「そうらしいのよ。それで、みんなが窓を開けて落ちたあたりを見下ろしてみたら…、黒い影がそのOLさんを吸いこんじゃったんですって…。ねえ、浩ちゃん」
「ああ、なにしろ複数が目撃してるってことだわ。まあ、又聞きだし文字通りウワサだけどね」
「…すごい!」
「うん、その黒い影、きっと黒いスーツの女だよ!契約者を確保したんだ。飛び降りたら痛いし、死ぬまで苦しむから、その前に現れてさ」
「そうそう!やっぱり、この都市伝説、本物だったんだわ!」
アキとメグミがウワサ話をすんなり”仮説”に仕立てる様子に、半ばあっけにとれていたレイが口を開いた。
「あんたち、モロ、信じてんの?」
「当たり前じゃん。高身長の女リカはきっと、この辺にも現れてるんだよ」
「うん。何しろリカはさ、都会がお気に入りだそうだからね」
ポテトをパクつくレイと浩一郎は、目を点にして興奮気味のアキとメグミの言葉を聞いていた…。