都市夢ーとしむー
その6/抜擢されし女
「…今後、彼女が取り組むこのPTの対策室は、我が業務推進企画室の直轄から離れ、業務推進総括という役職を併任されている江副常務の管轄となる。もっとも、PTのフロアはここのままで、今後の局面によっては解散もプロジェクト拡大に伴くスタッフ増員も考えられるので、当面は推進企画室本体とも準連携の仮体制と踏まえて欲しい…」
ここでフロア内はにわかにざわめいた…。
だが、これは金熊の計算していた望ましきリアクションであったのだ。
「その際、影山君の役職だが、形式的には臨時PTの対策室だが、あくまで準備室という位置づけで、現在の課長職より一つ上の次長補佐ポストということで、常務が役員会に諮るということだ。皆も承知おきくれ」
その場はさらにざわついた…。
しかし、金熊は意識的にスルーし、さらに続けた。
...
「このPTに参画するメンバーは若手を中心とした少数精鋭編成となるが、その人選は影山室長に一任する。影山君、今日中に決定でいいか?」
「はい。夕方には本人の同意を得た上で金熊室長にお持ちします」
「うむ。それでは、頼む。オレからの伝達は以上だ!皆、業務に戻ってくれ」
金熊のその一言で、フロアはまるで新聞社内のような活況と躍動感がみなぎるいつもの状態に戻った。
”皆、動揺してるな。ふふ…、今はこれでいいんだ。はあ…?安達のヤツ、不安そうな顔してこっちに寄ってくる。わかってねーのか、アイツ…”
「…今後、彼女が取り組むこのPTの対策室は、我が業務推進企画室の直轄から離れ、業務推進総括という役職を併任されている江副常務の管轄となる。もっとも、PTのフロアはここのままで、今後の局面によっては解散もプロジェクト拡大に伴くスタッフ増員も考えられるので、当面は推進企画室本体とも準連携の仮体制と踏まえて欲しい…」
ここでフロア内はにわかにざわめいた…。
だが、これは金熊の計算していた望ましきリアクションであったのだ。
「その際、影山君の役職だが、形式的には臨時PTの対策室だが、あくまで準備室という位置づけで、現在の課長職より一つ上の次長補佐ポストということで、常務が役員会に諮るということだ。皆も承知おきくれ」
その場はさらにざわついた…。
しかし、金熊は意識的にスルーし、さらに続けた。
...
「このPTに参画するメンバーは若手を中心とした少数精鋭編成となるが、その人選は影山室長に一任する。影山君、今日中に決定でいいか?」
「はい。夕方には本人の同意を得た上で金熊室長にお持ちします」
「うむ。それでは、頼む。オレからの伝達は以上だ!皆、業務に戻ってくれ」
金熊のその一言で、フロアはまるで新聞社内のような活況と躍動感がみなぎるいつもの状態に戻った。
”皆、動揺してるな。ふふ…、今はこれでいいんだ。はあ…?安達のヤツ、不安そうな顔してこっちに寄ってくる。わかってねーのか、アイツ…”